バンコクでムエタイ現地観戦 徹底ガイド

バンコクにはムエタイが観戦できる有名スタジアムが2つあります。

ラジャダムナン・スタジアム

ルンピニ・スタジアム

いわゆる「ラジャ」と「ルンピニ」です。この2つのスタジアムはタイ国内でも人気を二分する二大勢力。この2つのスタジアムが認定する王座は、カテゴリーとしてはローカルな王座ですが、ムエタイという競技の中でもっとも権威があり、世界王座よりも格上とされています。

日本人のキックボクサーも過去にラジャやルンピニの王者に何度も挑戦していますが、ラジャダムナン認定王者は過去に6人、ルンピニの王者はまだいません。

それほどタイ現地のムエタイは競技レベルが高いということなのでしょう。


ラジャダムナン・スタジアム

ムエタイの聖地といえばラジャダムナン・スタジアムと言われるくらいの代名詞的存在です。

試合は月・水・木・日と週に4日開催で、木曜日に大きな試合が組まれることが多いです。

料金は席の種類によって1,000バーツ~2,000バーツとわかれていますが、外国人が普通にチケットを買おうとするとリングサイドの2,000バーツの席になるので注意しましょう。

リングサイド:2,000バーツ
クラブクラス:1,800バーツ
セカンドクラス:1,500バーツ
サードクラス:1,000バーツ

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ラジャダムナン・スタジアムの場所と行き方

いちおう最寄り駅はBTSラチャテウィー駅かMRTフアランポーン駅ですが、全然最寄りではなく、歩いていける距離ではないのでタクシーを使うのが無難です。

マニアックな行き方としては、センセープ運河を走る船で行く方法もあります。終点のパンファー橋船着場まで行けば徒歩10分くらいです。料金はラチャテウィー駅近くのフアチャン船着場からは11バーツ。

ただしパンファー船着場からの最終が平日は20時、日曜日は19時なのでラジャダムナン・スタジアムからの帰りはいずれにしろタクシー、またはトゥクトゥクになります。

スタジアム前には料金をふっかけてくる悪徳タクシーが多いので注意しましょう。

ルンピニ・スタジアム

試合が行われるのは火・金・土の週3日間。タイの陸軍が運営するスタジアムです。

リングサイド:2000バーツ
2階席:1500バーツ
3階席:1000バーツ

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ルンピニ・スタジアムの場所と行き方

ルンピニ・スタジアムはもともとMRTルンピニ駅近くにあったのですが、老朽化により移転。現在はもとの場所からはけっこう離れたバンコク北部の「ニュー・ルンピニ・スタジアム」となっています。

こちらも最寄り駅はMRTパホヨーティン駅、またはBTSモーチット駅なのですが、全然近くないです。歩ける距離ではないので、タクシーで行くことになります。

ムエタイのルール

3分5ラウンドでKO、TKO、レフリーストップなどがない場合は判定。

この判定の基準が日本のキックボクシングやK-1と少し違うため、日本人から見ると勝っているように見える選手が負けとなることがよくあります。

大きな違いはパンチを当てても採点上プラスにならず、キック重視だということ。つまり、パンチよりキックが得意な選手が勝ちやすく、パンチが得意な選手はKO狙いの攻めをすることになります。また、技の美しさも芸術点という形で反映されます。

さらに「首相撲」と呼ばれる攻防も勝敗に大きく影響します。首相撲とは、お互いに相手の首の後に手を回し抱き合うような体勢から膝蹴りを出し合う攻防のことです。日本のキックボクシングでは首相撲は膠着とみなされ、一定の時間が過ぎたらレフリーによって引き離されますし、K-1では首相撲はナシですが、ムエタイは首相撲の時間が長いので、勝敗を分ける重要な局面なのです。

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ムエタイの楽しみ方

ワイクルー

ムエタイでは試合前にワイクルーと言われる伝統的な舞を選手が踊ります。これは神や家族、指導者への感謝を捧げるもので、基本的な型はあるのですが、出身ジムによって少し違ったりもします。

日本のキックボクシング興行でもタイ人選手はワイクルーをするので格闘ファンにはおなじみかもしれません。

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生演奏のムエタイ音楽

ムエタイの試合中にはタイの伝統的な音楽を生演奏で流します。ワイクルーと1R~5Rまでそれぞれ微妙に違うので、慣れれば音楽を聴いただけで今が何ラウンドなのかわかるようになるかもしれません。

客席の様子

スタジアムの一番安い席では現地のタイ人が賭けをしています。よく見ると、築地市場の競りのように手のサインで賭けを仕切る胴元がいます。競馬のように馬券を買うわけでもないのに、掛け声とサインだけでよく賭けが成立するなと思ってしまいますが、スタジアムの内部に時々、賭けで負けたのに掛け金を払わずに逃げた人の顔写真が指名手配犯のように晒されていたりするので、意外としっかりしているのかもしれません。

試合順について

日本の格闘技興行では、メインイベントは最後の試合ですが、ムエタイでは10試合組まれるとしたら7~8試合目がメインイベントです。

また1試合目や2試合目はまだ小学生くらいの子供同士の試合だったりします。一流選手による試合だけ見ればいいやという人は、18時に試合開始だとしたら最初の数試合を飛ばして、途中から入場するのもよいでしょう。

ラジャダムナンとルンピニの違い

基本的には同格とみなされるラジャダムナンとルンピニですが、ラジャダムナンのほうが少しだけ歴史が長く、またもともとはタイ王室が運営していたことから(現在は民間運営に移行)、ラジャダムナンがほんの少し格上とみなされることもあります。ちなみに、ルンピニは陸軍の運営で、いわゆる体育会系の風土です。

またかつてはラジャダムナンは技巧派、ルンピニはフィジカル派とスタイルに違いがありましたが、現在は大きな差はないです。

まとめ

ムエタイはキックボクシングやK-1とルールが近いこともあり、日本でも格闘ファンにはおなじみで、また世界中の格闘技ファンからリスペクトされている立ち技の伝統的な格闘技です。

日本のK-1で過去に魔娑斗と数々の名勝負を繰り広げたブアカーオやゲーオ・ウィラサクレックの名前を知っている人も多いでしょう。

しかし、ムエタイ独自の部分も多いので、競技だけでなくスタジアムの雰囲気やカルチャーも楽しむことでタイ旅行が楽しくなると思います